弾性すべり支承とは、積層ゴムがすべり板の上に固定されずに乗っている免震装置です。地震があったら、すべり板の上を積層ゴムが自由に滑ることで、建物の揺れが軽減されます。
建物によっては、積層ゴムとすべり板の上下が逆に設置されている場合もあります。
建物が揺れたとき、弾性すべり支承だけでは、建物を元の場所に戻す力がないので、積層ゴムなどと組み合わせて設置されます。
すべり板の表面はテフロン加工されたものが多くなり、テフロン表面に傷があると弾性すべり支承本来の機能が発揮できない可能性が出てきます。弾性すべり支承の定期点検では、フランジ部のボルトに緩みや塗料に傷や剥がれがないかなどの点検に加え、すべり板に傷や付着物、可燃物がないかをチェックします。
弾性すべり支承の点検は、通常点検や応急点検で行う「目視点検」と、竣工検査や定期点検で行う「計測点検」があります。
目視点検では、弾性すべり支承の次のようなことをチェックします。
計測点検では、目視点検の内容に加え、弾性すべり支承の次のようなことをチェックします。
弾性すべり支承の点検では、次のような指摘があります。
これらの指摘の中で、早急に対応していただきたいものが、積層ゴム本体の傷とすべり板の大きな傷です。次に緊急性が高いものが、積層ゴムとすべり板の隙間に挟まっているゴミの堆積です。どちらも補修の対象となります。
免震装置が設置されている免震層は暗いところが多く、またすべり板や積層ゴムが黒いこともあって、積層ゴムやすべり板の傷が目立ちにくいので、電灯でしっかり照らしてチェックします。
すべり板の傷は線傷とえぐれ傷があります。えぐれ傷が発見された場合は、補修を行うことをお勧めいたします。
積層ゴムは火に弱いので、落ち葉などの可燃物の堆積が最も危険です。また、建物によっては、基礎部分に荷物を置いていることもあります。そういった可燃物が積層ゴムの近くにある場合は、すぐさま撤去してもらえるように指摘します。
積層ゴムのフランジ部分と基礎は、手のひらほどもある大きなボルト20本ほどで固定されていますが、そのボルトが緩み、手で簡単に回ってしまうような場合もあります。
ボルトは、1本でも手で回るということは、他の多くのボルトも緩んでいることが多いので、すべてを増し締めしていくことをお勧めいたします。また、ボルトはトルク管理されているので、手で回らないとしても、定期的に増し締めされることをお勧めいたします。
大きさや、えぐれ傷がある場所によりますが、なるべく早急に補修することをおすすめいたします。
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当社では、防塵カバーの製作設置、すべり板の補修、ボルトの増し締め、錆の補修や塗装(タッチアップ)を行っております。お気軽にご相談ください。
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