鉛ダンパー点検

鉛ダンパー点検

鉛ダンパーとは、写真のような鉛の太い棒のダンパーです。鉛は比較的柔らかい金属ですので、地震のときには鉛の減衰力で建物が揺れるエネルギーを軽減してくれる性質があります。U型鋼材ダンパー鋼棒ダンパーといったバネと組み合わせて設置されます。

鉛は鉄と比べて錆びにくい金属ですし、大きな揺れで鉛に亀裂が入ることが稀にあるため、鉛部分は塗装がなされていません。フランジ部などの鋼材部は塗料で覆われていますが、経年劣化で塗料にヒビが発生したり剥がれ落ちたりすることがあります。そうすると、その部分が発錆し、装置の寿命が短くなる恐れがあります。

鉛ダンパーの点検では、鉛部分の傷や亀裂のチェック、フランジ部などの鋼材部の塗装の傷や剥がれ、発錆を重点的に点検いたします。また、鉛は溶解温度が330℃程度と低いので、可燃物が堆積していないかどうかのチェックも大切です。

鉛ダンパーの点検内容

鉛ダンパーの点検は、通常点検や応急点検で行う「目視点検」と、竣工検査や定期点検で行う「計測点検」があります。

目視点検

目視点検では、鉛ダンパーの次のようなことをチェックします。

  • 本体部分(鉛)の傷や汚れ、付着物のチェック
  • ボルトの緩みチェック
  • 鋼材部の塗装の発錆、ひび、剥がれのチェック
  • 可燃物の堆積チェック

計測点検

計測点検では、目視点検の内容に加え、鉛ダンパーの次のようなことをチェックします。

  • インサイドマイクロメータによる鉛直変位計測(4か所)
  • スケールと下げ振りもしくは、角度計による水平変位計測(2か所)

点検での主な指摘内容

鉛ダンパーの点検では、次のような指摘があります。

  • 鉛部分の傷やヒビ割れ
  • 鋼材部の錆
  • ボルトの緩み
  • 塗装の傷や剥がれ

これらの指摘事項の中で、早急に対応していただきたいものが、鋼材部の錆と塗装の傷や剥がれです。特にフランジ部と鉛ダンパー部の接合部の錆です。錆を放置しておくと、発災時に鉛ダンパーの機能を発揮できない恐れがあります。また、塗装の傷や剥がれは錆につながります。錆や塗装の傷や剥がれは補修が可能ですので、当社のような専門業者にご依頼ください。

点検の流れ

1.スケジュールと
図面の確認
効率よく短時間で点検ができるように、鉛ダンパーなどの免震装置の配置や点検の順序を確認します。
2.免震層入り
点検担当者が免震層に入ります。立ち合いが必要な場合は、お客様と共に入ります。
3.点検実施
鉛ダンパーなど免震装置の点検をします。点検をした免震装置は、専用チェックシートの記入や写真撮影をいたします。重大な指摘事項があれば、その場でご指摘いたします。
4.借り物の返却
建物の鍵を預かっての作業の場合は、作業中は自社管理し、作業が終了しましたら返却いたします。その他、免震点検の作業でお借りしたものを返却いたします。
5.報告書作成・提出
点検後に免震装置点検の報告書を作成いたします。フォーマットはお客様ご要望のものを使用いたします。報告書提出は、1カ月程度いただいております。

鉛ダンパー点検のポイント

鉛は爪で傷つけることができるぐらい柔らかい金属ですので、傷のチェックが大切です。免震層内の作業で、誤って機材をぶつけてしまって傷が付いてしまうこともあります。また、建物の大きな揺れで鉛にヒビが入ることもあります。鉛ダンパーの傷は前回の点検と比較しながら、傷の有無を確認します。

免震層は湿度が高く、建物によっては装置に雨水がかかったり、免震層内に水が溜まっていたりすることがあり、鉛ダンパーの塗料の傷やヒビ、剥がれによって、鋼材部が発錆することがよくあります。発錆している箇所の指摘はもちろんのこと、塗料の不具合のチェックは発錆を未然に防ぐためにも大切なことです。

フランジ部分と基礎は、大きなボルト20本ほどで固定されていますが、そのボルトが緩み、手で簡単に回ってしまうような場合もあります。ボルトは、1本でも手で回るということは、他の多くのボルトも緩んでいることが多いので、すべてを増し締めしていくことをお勧めいたします。また、ボルトはトルク管理されているので、手で回らないとしても、定期的に増し締めされることをお勧めいたします。

当社のワンストップ対応

当社では、免震点検だけでなく、鋼材部の錆の補修や塗装(タッチアップ)ボルトの増し締めを行っております。お気軽にご相談ください。

免震装置の点検、補修等に関するお問い合わせやご相談、ご依頼等は、
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お見積もりのみのご対応もいたしますので、お気軽にご相談ください。

03-3356-1107
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