直動転がり支承(CLB)とは、建物を大きなボールベアリングが内蔵されているLMブロックで支える免震装置です。地震があったら、LMガイドがXY軸に自由に滑ることで、建物の揺れが軽減されます。構造としては、十字型、キ型、井型がありあます。
直動転がり支承は、鉛直方向の引抜き力に強く、サイズがさまざまあるので、小さな建物から高層ビルまで利用されています。また、温度変化に強いので、免震層に蒸気配管などで高温になる場合にも利用可能です。
建物が揺れたとき、直動転がり支承だけでは、建物を元の場所に戻す力がないので、積層ゴムなどと組み合わせて設置されます。
直動転がり支承の定期点検では、ボルトに緩みや塗料に傷や剥がれがないかなどの点検に加え、LMレールに傷や可燃物がないか、グリースの量などをチェックします。
直動転がり支承の点検は、通常点検や応急点検で行う「目視点検」と、竣工検査や定期点検で行う「計測点検」があります。
目視点検では、直動転がり支承の次のようなことをチェックします。
計測点検では、目視点検の内容に加え、直動転がり支承の次のようなことをチェックします。
直動転がり支承点検では、次のような指摘があります。
これらの指摘の中で、早急に対応していただきたいものが、グリースの残量不足や乾燥の補修です。グリースの充填はメーカにご依頼ください。次に緊急性が高いものが、可燃物の撤去とボルトの増し締めです。
フランジ部分と土台は、大きなボルト40本ほどで固定されていますが、そのボルトが緩み、手で簡単に回ってしまうような場合もあります。
ボルトは、1本でも手で回るということは、他の多くのボルトも緩んでいることが多いので、すべてを増し締めしていくことをお勧めいたします。また、ボルトはトルク管理されているので、手で回らないとしても、定期的に増し締めされることをお勧めいたします。
当社では、ボルトの増し締め、錆の補修や塗装(タッチアップ)を行っております。お気軽にご相談ください。
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