免震装置には、材質に天然ゴムを使用している「積層ゴム」や「弾性すべり支承」があります。積層ゴムの正式な名称は積層ゴムアイソレータと言われますが、免震ゴムとも呼ばれることもあります。弾性すべり支承は、すべり板の上に積層ゴムが設置されています。
また、CLB直動転がり支承のように免震装置によっては可動部内部に油を用いているものがあります。
それらの免震装置は、材質上、熱に弱いという性質があります。そのため、建物によっては「免震装置がむき出しになったままではよくない」とのことで、免震装置を耐火被覆で覆っていることがあります。
また、中間層免震(中間層免震・柱頭免震)の免震装置が設置される場合、耐火被覆が必要です。
耐火被覆には、主に次の3種類があります。
石膏ボードは耐火性があり、そのボードを積層ゴムが取り付けられている基礎構造と上部構造のそれぞれに取り付け、免震装置の動作に支障のないようになっています。
石膏ボードと同様に金属の板を基礎構造と上部構造に取り付けられています。
耐火性のある繊維でつくられたマットを、積層ゴムに巻き付けたり、積層ゴムが取り付けられている上部構造から垂れ下げたりして取り付けます。
耐火被覆の点検では、「目視点検」を行い、次のようなことをチェックします。
耐火被覆の免震点検では、次のような指摘があります。
積層ゴムが耐火被覆で覆われていると、積層ゴムの直接の目視点検がしにくくなります。耐火被覆を取り外して行う場合には手間がかかってしまいます。免震装置の特記仕様書に点検要領の記載が特になければ、目視点検で耐火被覆に損傷がなければ、内部の免震装置の状態が良好だと判断するようにしています。
耐火被覆を外しての免震点検の場合には、耐火被覆のメーカーや専門業者に取り外していただく必要な場合があります。
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