減衰こま点検

減衰こま点検

減衰こまは、外観は免震オイルダンパーと似ていますが、内部構造が異なります。建物の揺れをボールねじの回転運動に変換し、回転部に充填されている粘性体の抵抗で揺れのエネルギーを吸収する免震装置です。

減衰こまは揺れた建物を元の位置に戻す力がないので、積層ゴムなどと組み合わせて設置されます。

減衰こまの点検では、本体部や鋼材部の傷やへこみのチェック、塗装の傷や剥がれ、発錆の点検に加え、粘性体漏れ有無の確認といった減衰こま特有の点検があります。

減衰こまの点検内容

減衰こまの点検は、通常点検や応急点検で行う「目視点検」と、竣工検査や定期点検で行う「計測点検」があります。

目視点検

目視点検では、減衰こまの次のようなことをチェックします。

  • 粘性体の漏れチェック
  • 装置の傷や汚れ、付着物のチェック
  • ボルトの緩みチェック
  • 本体部や鋼材部の傷やへこみ、塗装の発錆、ひび、剥がれのチェック

計測点検

計測点検では、目視点検の内容に加え、減衰こまの次のようなことをチェックします。

  • スケールによるボールねじ部の計測

点検での主な指摘内容

減衰こまの点検では、次のような指摘があります。

  • 塗装の傷や剥がれ
  • 本体や鋼材部の錆
  • ボルトの緩み
  • 粘性体(オイル)漏れ

塗装の傷や剥がれは、錆びる前にタッチアップを行う必要があります。本体や鋼材部の錆は、軽微であればケレンをして塗装します。錆が広範囲に広がっているようであれば、減衰こまの交換が必要になる可能性もあります。

ボルトの緩みは、ボルトの増し締めで対応可能です。

粘性体(オイル)漏れがあった場合は、メーカーに問い合わせて補修が必要かどうかを確認します。軽微であればそのまま経過観察になることが多いです。粘性体(オイル)漏れがひどい場合は、パッキンの交換や粘性体(オイル)の補充など、メーカー対応による補修が必要となります。

点検の流れ

1.スケジュールと
図面の確認
効率よく短時間で点検ができるように、減衰こまなどの免震装置の配置や点検の順序を確認します。
2.免震層入り
点検担当者が免震層に入ります。立ち合いが必要な場合は、お客様と共に入ります。
3.点検実施
減衰こまなど免震装置の点検をします。点検をした免震装置は、専用チェックシートの記入や写真撮影をいたします。重大な指摘事項があれば、その場でご指摘いたします。
4.借り物の返却
建物の鍵を預かっての作業の場合は、作業中は自社管理し、作業が終了しましたら返却いたします。その他、免震点検の作業でお借りしたものを返却いたします。
5.報告書作成・提出
点検後に免震装置点検の報告書を作成いたします。フォーマットはお客様ご要望のものを使用いたします。報告書提出は、1カ月程度いただいております。

減衰こま点検のポイント

減衰こまの点検では、粘性体漏れの有無確認があることが他の装置と大きく異なります。もし、粘性体が漏れていた場合には、それらを指摘事項として報告書に記載しますので、減衰こまのメーカーに連絡して指示を仰いでください。

フランジ部分と基礎は、たくさんの大きなボルトで固定されていますが、そのボルトが緩み、手で簡単に回ってしまうような場合もあります。ボルトは、1本でも手で回るということは、他の多くのボルトも緩んでいることが多いので、すべてを増し締めしていくことをお勧めいたします。また、ボルトはトルク管理されているので、手で回らないとしても、定期的に増し締めされることをお勧めいたします。

当社のワンストップ対応

当社では、免震点検だけでなく、鋼材部の錆の補修や塗装(タッチアップ)ボルトの増し締めを行っております。お気軽にご相談ください。

免震装置の点検、補修等に関するお問い合わせやご相談、ご依頼等は、
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お見積もりのみのご対応もいたしますので、お気軽にご相談ください。

03-3356-1107
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