減衰こまは、外観は免震オイルダンパーと似ていますが、内部構造が異なります。建物の揺れをボールねじの回転運動に変換し、回転部に充填されている粘性体の抵抗で揺れのエネルギーを吸収する免震装置です。
減衰こまは揺れた建物を元の位置に戻す力がないので、積層ゴムなどと組み合わせて設置されます。
減衰こまの点検では、本体部や鋼材部の傷やへこみのチェック、塗装の傷や剥がれ、発錆の点検に加え、粘性体漏れ有無の確認といった減衰こま特有の点検があります。
減衰こまの点検は、通常点検や応急点検で行う「目視点検」と、竣工検査や定期点検で行う「計測点検」があります。
目視点検では、減衰こまの次のようなことをチェックします。
計測点検では、目視点検の内容に加え、減衰こまの次のようなことをチェックします。
減衰こまの点検では、次のような指摘があります。
塗装の傷や剥がれは、錆びる前にタッチアップを行う必要があります。本体や鋼材部の錆は、軽微であればケレンをして塗装します。錆が広範囲に広がっているようであれば、減衰こまの交換が必要になる可能性もあります。
ボルトの緩みは、ボルトの増し締めで対応可能です。
粘性体(オイル)漏れがあった場合は、メーカーに問い合わせて補修が必要かどうかを確認します。軽微であればそのまま経過観察になることが多いです。粘性体(オイル)漏れがひどい場合は、パッキンの交換や粘性体(オイル)の補充など、メーカー対応による補修が必要となります。
減衰こまの点検では、粘性体漏れの有無確認があることが他の装置と大きく異なります。もし、粘性体が漏れていた場合には、それらを指摘事項として報告書に記載しますので、減衰こまのメーカーに連絡して指示を仰いでください。
フランジ部分と基礎は、たくさんの大きなボルトで固定されていますが、そのボルトが緩み、手で簡単に回ってしまうような場合もあります。ボルトは、1本でも手で回るということは、他の多くのボルトも緩んでいることが多いので、すべてを増し締めしていくことをお勧めいたします。また、ボルトはトルク管理されているので、手で回らないとしても、定期的に増し締めされることをお勧めいたします。
当社では、免震点検だけでなく、鋼材部の錆の補修や塗装(タッチアップ)、ボルトの増し締めを行っております。お気軽にご相談ください。
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