免震層内環境点検

免震層内環境点検

免震層とは、建物側(免震側)と地面側(地球側)の間の免震装置が設置されている空間のことです。

免震層内には免震装置が設置されているだけでなく、水道管やガス管、電気配線などが設置されています。データセンターでは配線やラックがたくさん設置されていたり、病院ではたくさんの配管が設置されていたりします。また、それらの建物に加えオフィスビルや官公庁舎では、空調ダクトや排気ダクトが配管されていることもあります。

免震層には、建物の構造やクリアランスラバーの設置状況によって、水やゴミなどの異物が免震層内に侵入してくることがあります。可燃物の代表でもある落ち葉の堆積には注意が必要です。

また、長年免震点検を怠っていた建物では、排水ポンプが壊れ、免震層内が水浸しになっていることもあります。

免震層内環境の点検内容

免震層内環境の点検では、「目視点検」を行い、次のようなことをチェックします。

  • 基礎部と上部構造のクリアランス確認
  • 設備と構造物のクリアランス確認
  • 可燃物の堆積チェック
  • 追加工事の有無確認
  • 水溜りの有無確認
  • 内壁や基礎の地震による損傷確認
  • 免震層内に置かれた荷物のクリアランス確認
  • 可撓継手のボルトの緩み・液漏れ、余長の確認(詳細は、設備配管可撓継手部点検をご覧ください。)
  • 電気配線の余長確認(詳細は、電気配線取付部点検をご覧ください。)

点検での主な指摘内容

免震層内環境の点検では、次のような指摘があります。

  • クリアランス不足
  • 可燃物の堆積
  • 水溜りの発生

点検の流れ

1.スケジュールと
図面の確認
効率よく短時間で点検ができるように、免震層内環境や免震装置の配置や点検の順序を確認します。
2.免震層入り
点検担当者が免震層に入ります。立ち合いが必要な場合は、お客様と共に入ります。
3.点検実施
免震層内環境や免震装置の点検をします。点検をした免震装置は、専用チェックシートの記入や写真撮影をいたします。重大な指摘事項があれば、その場でご指摘いたします。
4.借り物の返却
建物の鍵を預かっての作業の場合は、作業中は自社管理し、作業が終了しましたら返却いたします。その他、免震点検の作業でお借りしたものを返却いたします。
5.報告書作成・提出
点検後に免震装置点検の報告書を作成いたします。フォーマットはお客様ご要望のものを使用いたします。報告書提出は、1カ月程度いただいております。

免震層内環境点検のポイント

免震層内環境の点検では、クリアランス不足の発見が最も大切です。クリアランス不足は地震の際に、ぶつかって損傷する可能性があります。建物本来の機能が損なわれてしまうことも考えられます。クリアランス不足は、早急なる対応が必要です。

次に、可燃物の堆積チェックが大切になります。もし免震層内で火災が発生したら、免震装置が損傷し、免震装置の機能が損なわれることが考えられます。

免震層は地下に設置されることが多いのですが、環境によっては火が点いたタバコが風によって免震層内に入ってしまうことも考えられます。免震層内の可燃物の処理や清掃は定期的に行うことをおすすめいたします。

また、長年点検を放置された建物で、免震層の排水ポンプが壊れていることがあります。その場合、免震層内に水が溜まり、免震層内の湿度が上昇します。どの免震装置にも必ず金属が使われており、湿気によって発錆しやすくなります。塗装されている免震装置でも、その塗装に傷が付いていたり、塗装が剥がれ落ちていたりすることが多々あります。

もし、免震装置が発錆してしまったら、発災時に免震装置本来の機能を果たすことができない可能性もあります。そのため、免震層内の環境を整え、定期的な塗装の状態チェックや補修も必要になります。

やはり、一般社団法人日本免震構造協会が推奨する頻度での定期点検実施をおすすめいたします。

免震装置の点検、補修等に関するお問い合わせやご相談、ご依頼等は、
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お見積もりのみのご対応もいたしますので、お気軽にご相談ください。

03-3356-1107
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