積層ゴム・ダンパー一体型免震装置とは、積層ゴムとU型鋼材ダンパーが一体となった免震装置です。
積層ゴム・ダンパー一体型免震装置ですと、積層ゴムとU型鋼材ダンパーをそれぞれ設置するよりも基礎の数が減るので、建設コスト削減につながったり、免震層が広がり配管が容易に行えたりするメリットがあります。
積層ゴム・ダンパー一体型免震装置の点検は、通常点検や応急点検で行う「目視点検」と、竣工検査や定期点検で行う「計測点検」があります。
目視点検では、積層ゴムとU型鋼材ダンパーの両方の点検を行います。
計測点検では、目視点検の内容に加え、積層ゴム・ダンパー一体型免震装置の次のようなことをチェックします。
積層ゴム・ダンパー一体型免震装置の点検では、次のような指摘があります。
これらの指摘の中で、早急に対応していただきたいものが、ゴム本体の傷です。次に緊急性が高いものが、可燃物の撤去とボルトの増し締めです。また、積層ゴム部とフランジの境目が錆びている場合は、積層ゴム内部の鋼板が発錆する恐れがあるため、こちらの補修も急がれることをお勧めしております。
免震装置が設置されている免震層は暗いところが多く、また積層ゴムが黒いこともあって、ゴムの傷が目立ちにくいので、電灯でしっかり照らしてチェックします。
積層ゴムは火に弱いので、落ち葉などの可燃物の堆積が最も危険です。積層ゴム・ダンパー一体型免震装置はU型鋼材ダンパーといった複雑な形状のものが積層ゴムに隣接しているため、可燃物がひっかかって付着していることもあります。
また、建物によっては、積層ゴムの基礎部分やその周辺に荷物を置いていることもあります。そういった可燃物が免震層内にある場合は、すぐさま撤去してもらえるように指摘します。
積層ゴムのフランジ部分と上下の基礎は、大きなボルト30本ほどで固定されていますが、そのボルトが緩み、手で簡単に回ってしまうような場合もあります。
ボルトは、1本でも手で回るということは、他の多くのボルトも緩んでいることが多いので、すべてを増し締めしていくことをお勧めいたします。また、ボルトはトルク管理されているので、手で回らないとしても、定期的に増し締めされることをお勧めいたします。
当社では、ボルトの増し締め、錆の補修や塗装(タッチアップ)を行っております。お気軽にご相談ください。
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