積層ゴム(免震ゴム)とは、ゴムと鋼板を交互に積層した、建物の重量を支える免震装置です。積層ゴムの正式な名称は積層ゴムアイソレータと言われますが、免震ゴムとも呼ばれることもあります。地面(地球側)が揺れたときに、ゴムが建物の揺れを吸収してくれるので、建物の揺れが軽減されます。
建物が揺れたとき、建物を元の場所に戻すために、積層ゴム単体のもの(高減衰積層ゴム、鉛プラグ入り積層ゴム他)やダンパーと組み合わせるもの(天然ゴム系積層ゴム)などがあり、建物の形状・高さ様々な要因により免震部材の組み合わせがあります。積層ゴムと鋼材ダンパーが一体となった免震装置「積層ゴム・ダンパー一体型免震装置」もあります。
積層ゴムの点検は、通常点検や応急点検で行う「目視点検」と、竣工検査や定期点検で行う「計測点検」があります。
目視点検では、次のような外観検査をします。
計測点検では、目視点検の内容に加え、積層ゴムの次のようなことをチェックします。
積層ゴム(免震ゴム)の詳細な点検内容は、こちらのページをご覧ください。
積層ゴムの点検では、次のような指摘があります。
これらの指摘の中で、早急に対応していただきたいものが、ゴム本体の傷です。次に緊急性が高いものが、可燃物の撤去とボルトの増し締めです。また、積層ゴム部とフランジの境目が錆びている場合は、積層ゴム内部の鋼板が発錆する恐れがあるため、こちらの補修も急がれることをお勧めしております。
免震装置が設置されている免震層は暗いところが多く、また積層ゴムが黒いこともあって、ゴムの傷が目立ちにくいので、電灯でしっかり照らしてチェックします。
積層ゴムは火に弱いので、落ち葉などの可燃物の堆積が最も危険です。また、建物によっては、積層ゴムの基礎部分やその周辺に荷物を置いていることもあります。そういった可燃物が免震層内にある場合は、すぐさま撤去してもらえるように指摘します。
積層ゴムのフランジ部分と上下の基礎は、手のひらほどもある大きなボルト20本ほどで固定されていますが、そのボルトが緩み、手で簡単に回ってしまうような場合もあります。
ボルトは、1本でも手で回るということは、他の多くのボルトも緩んでいることが多いので、すべてを増し締めしていくことをお勧めいたします。また、ボルトはトルク管理されているので、手で回らないとしても、定期的に増し締めされることをお勧めいたします。
積層ゴムの傷が規定値を大きく超える場合には、まずメーカーにお問い合わせください。積層ゴムの交換が必要な場合があります。積層ゴムの交換は、ゼネコンや設計会社に依頼します。
ゴミ袋は可燃物に分類されます。また、免震層内には何も置かないことが基本ですので、撤去してください。
積層ゴムと鋼材部の境目が錆びている場合は、積層ゴム内にある内部鋼板が発錆する恐れがあります。早急に補修や塗装(タッチアップ)が必要です。
ゴムは温度の変化で膨張/収縮をするため、鉛直変位計測値に温度補正をかけた数値を算出するためです。
当社では、ボルトの増し締め、錆の補修や塗装(タッチアップ)を行っております。お気軽にご相談ください。
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