免震点検いろは

地下の免震

地下も免震になっている建物

免震建物の多くは1階より上層階が免震になっています。その場合、免震層は地下1階にあります。免震建物の中には、地下1階も免震に含まれているところもあります。そのような建物の免震層はB2Fにあります。

地下に大切なものがあり、それを震災から保護したい場合には、地下も免震になっています。

そのような建物の免震点検で免震層内に入ると、建物側と地面側の隙間(免震クリアランス)からわずかにこぼれ落ちる日の光の感覚が、他の免震建物との違いを物語ります。

日の光が零れ落ちている時点で、クリアランスラバーに損傷があることを意味するので、指摘事項になりますが。

免震マンションにおける地下の免震

免震マンションで、地下階も免震になっているところが都内にあります。そのマンションでは、地下1階に5~6台程度、自動車が駐車できるスペースがあります。その地下駐車場スペースも免震になっています。

その免震マンションでは、免震スペースに入るために、地下駐車場からマンホールの蓋を開けて、はしごで免震層に入るようになっています。

通常の免震マンションでは、駐車場は免震になっていません。駐車場を免震に含めるためには、免震装置が免震建物に加え、自動車の重量も支えなければならなくなり、免震装置が大型になってしまいがちです。そうすると、マンションの建設コストが高くなります。

地下駐車場も免震になっているマンションは高級住宅街にあり、駐車台数も5~6台と少ないため、また高額な自家用車を所有している人が多いため、駐車場スペースも免震の中に入れているのでしょう。そのような免震マンションでは、家族の命だけでなく、資産である自動車も震災から守ることができるというメリットがあります。

スロープのエキスパンションジョイント

この免震マンションでは、地下に下るスロープの途中にエキスパンションジョイントがあります。

エキスパンションジョイントとは、免震になっている建物と、非免震の地上側をつなぐ板のことです。この板がないと、60cm以上ある隙間(免震クリアランス)に足を取られたり、物を落下させたりするので危険です。

そのエキスパンションジョイントは、自動車が通過する際の重量に耐えられるように、頑丈な設計になっています。また表面は、自動車のタイヤが滑らないように、グリップ力のある素材が使用されています。

駐車台数が多い駐車場の免震は?

今まで、立体駐車場が免震になっているところはありました。確かに、地震の影響で立体駐車場が壊れ、自動車が出し入れできなっては大変です。

外にある青空駐車場が免震になっているところは、今のところ存在しません。外であれば、自動車が地震でいくら揺れても、あまり問題にならないことでしょう。

1階部分がピロティになっていて、そこが駐車場になっている建物の場合は、1階の柱の上部に免震装置を設置する「柱頭免震」であることが多いです。

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