球面すべり支承点検

球面すべり支承点検

球面すべり支承の構造は、口の広い御椀のような球面の土台に、円柱の金属を乗せ、その上側に下側と同じ形状の土台を被せてあります。その上側に構造物の重量がかかります。

土台の表面はすべり板になっています。地震などによって、地面が揺れたら円柱の金属を介して、建物の揺れを軽減してくれます。

球面すべり支承は、建物が揺れても自力で元の位置に戻す性質があるため、ダンパーや高減衰ゴムなどと組み合わせて使用する必要がありません。そのため、免震装置の基数を軽減できるため、建築コストや免震点検コストを抑えることができます。

球面すべり支承の点検では、隙間からファイバースコープを挿入し、異物の有無や錆がないか、中に水が溜まっていないか、スライダーが浮いていないかなどを確認します。

球面すべり支承の点検内容

球面すべり支承の点検は、通常点検や応急点検で行う「目視点検」と、竣工検査や定期点検で行う「計測点検」があります。

目視点検

目視点検では、一般的には球面すべり支承の次のようなことをチェックします。

  • ボルトの緩みチェック
  • 防塵カバー(チューブカバー)の損傷、取付状況、汚れや異物有無のチェック
  • すべり板の錆や異物の有無チェック
  • スライダーとすべり板に隙間がないかのチェック
  • 鋼材部の塗装の発錆、ひび、剥がれのチェック

計測点検

計測点検では、一般的には目視点検の内容に加え、球面すべり支承の次のようなことをチェックします。

  • スケールによる水平変位計測

点検での主な指摘内容

球面すべり支承の点検では、次のような指摘があります。

  • 鋼材部の錆
  • 塗装の傷や剥がれ
  • 隙間からの水の侵入
  • 異常な変位

点検の流れ

1.スケジュールと
図面の確認
効率よく短時間で点検ができるように、球面すべり支承などの免震装置の配置や点検の順序を確認します。
2.免震層入り
点検担当者が免震層に入ります。立ち合いが必要な場合は、お客様と共に入ります。
3.点検実施
球面すべり支承など免震装置の点検をします。点検をした免震装置は、専用チェックシートの記入や写真撮影をいたします。重大な指摘事項があれば、その場でご指摘いたします。
4.借り物の返却
建物の鍵を預かっての作業の場合は、作業中は自社管理し、作業が終了しましたら返却いたします。その他、免震点検の作業でお借りしたものを返却いたします。
5.報告書作成・提出
点検後に免震装置点検の報告書を作成いたします。フォーマットはお客様ご要望のものを使用いたします。報告書提出は、1カ月程度いただいております。

球面すべり支承点検のポイント

ファイバースコープで球面すべり支承の内部を点検

球面すべり支承の点検では、ファイバースコープを用いて内部を点検します。ファイバースコープを挿入するときに、ゴミやホコリが入らないようにしながら、ゴム部分をめくって最小限の隙間を作りスコープを挿入します。

ファイバースコープは、先端にLEDライトが付いた細いタイプのものを用います。スコープを挿入するときは、スコープのレンズや装置内部が傷付かないように注意します。点検台数が多い場合は、スコープのバッテリーにも注意しながら行います。

よくあるご質問

装置の中はどのようになっていますか?
球面すべり支承の内部

球面すべり支承の内部は、写真のように中央にスライダーがあり、上下を鏡面のようなすべり板があります。

上下のすべり板は、鏡面のようになっていて、スライダーが映っています。

ファイバースコープは誰が準備しますか?

当社にて準備いたします。

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