免震建物は、地震で建物が揺れたときに障害物があったら建物にぶつかってしまい、建物や障害物が壊れてしまうことがあります。可動部に人がいたときに発災したら、建物の大きな揺れで足が巻き込まれる恐れもあります。クリアランス部にはなるべく障害物や人が侵入できないように柵を設けることが望ましいと言えます。
建物の構造によっては、建物外周のクリアランス部が溝になっていることがあり、そこにフェンスが設置されていない場合は、その部分が人の通路になっていることがあります。場合によっては、車いすが通れるようにするために、溝にクリアランス不足の鉄板がいつのまにか敷かれていることもあります。その鉄板の設置は違法ではありませんが、危険なことですので免震点検時に指摘いたします。
通常、免震クリアランス部を通路にする場合は、エキスパンションジョイントが設置されています。エキスパンションジョイントとは、震災で建物が揺れたときに、免震クリアランスの溝が露出しないように敷かれた専用プレートです。簡単に言えば、電車の連結部の通路のような構造になっています。
建物外周部環境の点検では、「目視点検」を行い、次のようなことをチェックします。
建物外周部環境の点検では、次のような指摘があります。
建物外周部環境の点検では、自動車や自転車などを駐車のチェックやエキスパンションジョイントの隙間、人にケガをさせる恐れがある箇所のチェックが大切です。
また、免震クリアランス部に駐輪された自動車やバイク、自転車の有無も、建物外周部環境点検では大切な指摘事項です。自動車やバイクは高額な資産の一つです。建物の揺れによって、自動車やバイク、自転車を巻き込んでしまって、建物が傷ついてしまうだけでなく、資産も損傷して価値を下げてしまいます。
エキスパンションジョイントでは、隙間の発生はその場で指摘することがよくあります。その隙間からゴミが侵入したり、物を落としたり、ハイヒールのかかと部分が引っかかることなどがあるためです。
エキスパンションジョイントは、大きな地震でずれたり浮いたりするだけでなく、跳ね上がってしまっていることもあります。人の手で動かせないような重たいものが簡単に跳ね上がってしまうほど、地震のエネルギーは大きなものだと実感します。
震災発災後は、エキスパンションジョイントのチェックが大切です。人が出入りしたり、通過したりする箇所をチェックし、危険な箇所にカラーコーンを立てて危険を促すことも大切です。
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