免震点検に関する資格があることをご存知でしょうか。その資格の名称は、「免震建物点検技術者」です。一般社団法人日本免震構造協会が発行しています。
免震装置は定期的に点検することが推奨されていますが、資格を持った人が点検することも推奨されています。
免震建物点検技術者の取得方法や難易度についてまとめました。
免震建物点検技術者には、実務経験3年以上という受験資格があり、誰でも受験できるわけではありません。
免震建物点検技術者の講習・受験願書を送るときに、いつ、どれぐらいの規模の免震建物を、どのような点検をしたのかの実務経験を記載する必要があります。それで3年以上の実務経験があるかどうかが調べられる。
免震建物点検技術者の講習・受験に申込をしたら、決められた日に1日の講習があり、講習の最後に試験をします。その試験で一定の点数を取ることができたら合格です。登録したら免震建物点検技術者登録証が発行さて資格取得となります。
現在のところ年に1回に、都内のどこかで講習・試験があります。講習・試験日は全国から受講者が集まってきます。
免震建物点検技術者の講習・受験に申し込む人は、免震点検業者だけでなく、管理会社の現場担当者、ゼネコン、設計会社の人などがいます。中には、免震装置の研究をしている大学の先生が受講されることもあるようです。
気になる試験の難易度ですが、実はそれほど難しくありません。受験資格には3年の実務経験が必要だと述べましたが、免震点検のやり方をしっかり教えてくれる先輩がいて、3年以上のしっかりとした実務経験があれば、試験の難易度は低いと思います。
そのようにしっかりとした実務経験のある人であれば、 資格を取得して、一人前に免震点検ができるようになることでしょう。
試験の内容は、免震点検の目視点検や定期点検をいつどのようなタイミングでどのように行うのかといったことが出題されます。選択問題だけでなく記述問題があり、「免震建物とは何ですか」といった内容の試験問題を記述で答えます。
資格を取得した後は、そのままずっと資格の効力があるわけではありません。現在のところ、資格の有効期限は5年です。そして、5年毎に更新講習を受講する必要があります。
更新講習の内容は、自動車免許の更新のように講師のお話を聞く講習で、免震装置のトラブルや指摘について、最新技術などがお話されます。
講習後に資格の再登録申請をすることで、新しい有効期限の免震建物点検技術者登録者証が発行されます。
実は、免震点検にはこの資格が必要であることは、今のところ法律に記載されていません。そのため、法律的な縛りはなく無資格の者が免震点検をして報告をしても罰せられることはありませんが、一般社団法人日本免震構造協会にて資格保有者が点検することを推奨しています。
そして、実務経験を積んでいる途中の無資格の人に対しては、資格を持った現場監督がいれば良いとされています。また、現場監督としては、免震装置について詳しい建築士や施工管理士など有資格者でも良いとされています。
免震点検の後に提出する報告書には、「免震建物点検技術者登録者証」の写しや免震建物点検技術者の名前、登録番号などが記載されます。一定水準をクリアーした免震点検のプロが、点検をしているという指標になり、報告書に説得力が増します。
免震点検は、法律では有資格者が点検をすることになっていませんが、まったくの素人が点検をしても意味がありません。やはり、しっかりとした実務経験を経て、資格試験に合格した人が免震点検を行うべきです。
仮に、免震装置にトラブルがあったときに、メーカー保証を受けることができる免震装置もあります。その装置の免震点検をまったくの素人が行っていたとしたらどうでしょうか。その免震点検をメーカーは納得してくれるか疑問です。また、免震点検のプロであれば、免震装置にトラブルが発生する前に異常を見抜くことができるかもしれません。
マテリアルリサーチでは、免震点検に従事している人は、新入社員を除く全員が免震建物点検技術者を保有しています。免震点検なら、マテリアルリサーチにお任せください。
この記事は、お役に立ちましたか?