免震点検はどのようなタイミングで行うべきでしょうか?

免震点検は、どのようなタイミングで行うべきでしょうか?

免震点検のタイミングは、建設中の建物と竣工後の建物で異なります。建設中の免震建物では、躯体完成後や竣工時に行うことを推奨しています。建物が竣工した後は、定期点検として年1回の目視主体の通常点検、竣工後5年目や10年毎の計測を含む定期点検です。

スポットで点検を行った方がよいタイミングは、建物を建てているときと竣工後で共通ですが、台風などの強い風が吹いた後やゲリラ豪雨といった強い雨の後、また震度5弱以上の強い地震の後、免震装置の設置・交換直後です。

免震点検を行うタイミングは、すべて記載しますと次の通りです。

1.施工中の点検

建物に免震装置が設置されたとき、免震装置に躯体が取り付けられたとき

2.竣工点検

免震建物が竣工する直前

3.通常点検

毎年1回

4.定期点検

竣工後5年や10年、それ以降は10年毎

5.応急点検

大地震や風水害があった後

6、詳細点検

各種点検で異常が認められたとき

7.更新工事後点検

免震装置の交換工事など、免震機能に影響を与える工事が行われた後

施工中の点検

建物に免震装置が設置されたときや、免震装置に躯体が取り付けられたときに、計測中心の点検が行われます。建物を立てていくと、免震装置の上に何千トンや何万トンといった重量物が構築されていきます。その施工途中で免震装置がどれぐらい変形していくかを計測点検し、免震装置に異常がないかを確認します。

ただし、施工中の点検が行われることは稀です。

竣工点検

竣工点検は、計測主体の点検で、免震建物が竣工する直前に行われます。竣工点検直前に、免震装置のボルトを設計値のトルクで締め直されます。

竣工点検の内容は、後ほど説明する定期点検と同様ですが、特に施工途中に免震装置が損傷していないかどうか、ボルトが緩んでいないか、可撓継手のボルトの緩みや損傷がないか、免震クリアランスが設計値以上空いているかなどを確認します。

ここで計測された数値が初期値として扱われます。

通常点検

通常点検は、毎年に1回行われる目視主体の点検です。通常点検では、主に、免震装置のボルトの緩みや発錆の具合、免震層内の可燃物の有無など、装置の異常発見を中心目的として免震層内や免震建物外周を目視で確認します。

小規模の免震マンションを中心に、通常点検を毎年行っていない免震建物が多いことが実状です。しかし、免震点検を長年怠っていると免震装置の異常を発見できずに、発災時に事故につながる恐れがあります。

エピソード「10年目での初点検で免震装置がすさまじい錆に」や免震点検いろは「免震装置を固定するボルトは実はよく緩みます」をご参照くださり、免震点検の大切さをご理解いただけたらと思います。

定期点検

免震建物が竣工してから5年や10年、それ以降は10年毎に行われる、計測主体の免震点検です。

通常点検(目視点検)の内容に加え、免震装置や免震クリアランスの計測などを行います。

応急点検

大地震や風水害があった後に行う、目視主体の免震点検です。概ね震度5弱以上の大きな地震の後や、台風や突風で概ね風速30m/sを超える強風が吹いて建物が大きく揺れた場合、暴風雨で免震層内が浸水してしまった後に行われます。

応急点検が行われるタイミングは、災害が落ち着き、免震建物まで移動ができるようになった状態で、電源が復活し、免震層内の水が排水されてからです。

詳細点検

通常点検や定期点検、応急点検などで異常が認められたときに、異常の原因や対策を調べるために行われる点検です。

免震建物の維持管理基準(2018)では、「点検の結果、異常と判断されたものについては建物所有者、設計者、施工者および製造者が協議し、補修または交換を決定する」とされています。

更新工事後点検

詳細点検の結果、免震機能に影響する工事が行われたら、工事終了後に更新工事後点検を実施します。免震機能に影響する工事とは、免震装置や可撓継手、エキスパンションジョイントなどの装置の修理や交換です。

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03-3356-1107
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